宣言と誓い

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宣言と誓い

クリスマスの激闘覚めやらぬ、年の瀬。 夕刻、入荷した玩具の検品をする私に三人組の少年が駆け寄ってきた。 「ねえねえ、ひつじの姉ちゃん!オレさ、お年玉もらったらポプラでいっぱいゲーム買って貢献してやるからな!」 「ちょっとちょっと、貢献って」 「僕も遊戯王カード買い占める!」 「オレもポプラにお年玉つぎ込んでやるぜ!」 「もう・・・・・・」 憎たらしくも眩しい笑顔を見せる少年達。 子供の言葉は真っ直ぐで、裏表も嘘偽りもないから困ってしまう。 「ひつじのお姉さんは二日いる?」 「いるよぉ。あのね、お兄ちゃんたちさ・・・・・・ーー」 「よぉし!!みんなで買いに来ようぜ!じゃあ来年な!」 一斉に踵を返し、しんしんと降る雪の世界へと飛び出していく。 雪玉をぶつけ、ふざけ合う無邪気な姿。 その小さな背を眺めながら、私、蝦夷雪ひつじはアルバイト二年目の冬に誓った。 おせっかいかもしれない。 でも、無駄遣いはさせたくない。 お兄ちゃんたちのポチ袋は私が守ってみせる。 たとえ営業妨害になったとしても!!
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