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1週間分のメニューが決まりかけた頃、ガラス扉が開く音がして顔を上げた。
「…あ」
プラスチックのカゴを持つスーツの人は、もう顔を合わせることは無いと思っていた男トモダチ。
「よぉ」
「仕事?」
「まぁ仕事中だけど、仕事ではない」
モリはぷぷっと吹き出して大きめの前歯を見せた。
「コインランドリーだもんね」
カゴをテーブルに置くと普通に私の隣に腰を下ろした。
「お前…相変わらずだな」
昔みたいに話せていることが恥ずかしくて会話が続かない。
「サボりってこともないけど。こんなに降られたら明日着るシャツがないし、夜のここは戦場だから」
「戦場?」
なに、それ?首をかしげる私を見たモリの口調は相変わらずだった。
「本ッ当に、お前は相変わらずだな」
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