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「そんな…」
心地良く感じていた洗濯機の回転音が私の足元を不安定にしていく。
モリ越しに動いている壁付けのドラム式洗濯機は、相変わらずどれも一定の動きを繰り返していて、中身が見えるそれは衣類やタオルがぐるんぐるんと回転する。
どの壁に目線を変えても洗濯機が回っていて、自分が翻弄されているような気がして息が苦しい。
紘子と中嶋くんも交えて4人で笑い合った日々。
幼かった頃とは違う、逞しさや優しさに触れた夜。
トモダチに戻るために流した涙。
pi pipi pi pipi pi pipi pi pipi
着信は私のスマホで、冷えた手でトートバッグを探る。
着信
【慎ちゃん】
選ばなかった未来の、続きを想像しようとしていた私の心臓を突いた。
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