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大好きな人と結婚した。
旦那様の独身時代から住むマンションに押し掛ける形で始めた新婚生活。
部屋数があるマンションに新居を構えようと言ってくれたのを聞かなかったのは、実家暮らしだった私が同棲を経験していないから。
子供が出来るまで仕事を続けることにしたのは、仕事を覚えたばかりで楽しくなってきていたから。
私の実家から今のマンションは少し遠い。甘やかされて育った私を知っている旦那様は、それ以上に私を甘やかす。
「真亜子はそれでいいの?」
「それが、いいの!」
だらしなく3人掛けのソファーに横になる慎ちゃんに重なるようにして寝転べば、落ちないように私の身体に腕が巻きついてくる。
「真亜子一人が頑張らなくてもいいんだよ」
大好きな人が旦那様になった。
大好きな人と同じ苗字になった。
夜が深くなっても時間を気にしなくていい。
帰りたくないのと泣かなくてもいい。
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