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結婚して3ヶ月が経った。
私の毎日は、私が思い描いていた日常と少しずつ違いを見せていた。
「ぅわぁああ!!ヤバイ!!」
目覚まし時計が鳴った記憶は無い。
「んん…真亜子?ど、したぁ」
朝が弱い慎ちゃんは布団に深く潜り込もうとしていて、丸くなっていく布団の上からバシバシと叩く。
「慎ちゃん起きて!!7時が来ちゃう!!早く!!遅刻しちゃうからぁ」
「はぁ?!」
私の悲鳴にも似た声で一気に目覚めた慎ちゃんは布団を大きく剥いだ。
魔法使いじゃないんだから時間を巻き戻したりできない。だったら、自分が早く動くしかないの。
「私、お化粧しなきゃ…。ね、慎ちゃん先に着替えて」
ベッドから一足早く出た私に慎ちゃんに構ってあげられる余裕はない。カーテンの向こう側はまだ陽が昇っていなくて、夜が続いているみたいだった。
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