遠路はるばる愛を載せ

1/5
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ

遠路はるばる愛を載せ

 今年のクリスマスは哀しいことに一人で迎えることとなってしまった、というのも付き合っている恋人こと俊之さんがこの度めでたく昇進し、それと同時に七月に異動で関西へ引っ越してしまったからだ。付き合い始めて三年、三回目のクリスマスは例年以上に寒さが身に凍みる。寒さに加え寂しさに身を震わせながら今頃お楽しみであろう友人たちの顔を思い浮かべた。そこそこの年齢になってしまった今、会社や学生時代の友人も皆恋人や更に言えば旦那または嫁と仲良く過ごしている。勿論独り身の女子たちもいたのだが、恋人がいない人間たちの集まりにはどうも顔を出しにくい中途半端な立ち位置で、そっと参加を打診しようとしたインスタントメッセンジャーの画面を閉じて彼女たちのことは忘れた。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!