第一章 千年時計

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 喫茶店ひまわりも、当初は誰も客が来ない店になっていたが、 今は結構な人数の客が来ていた。  心霊現象の原因は、この屋上にある木が、壱樹村と繋がっているせいであった。 原因が分かれば対応できるので、今は心霊現象はない。  喫茶店ひまわりの厨房に入ると、志摩の箪笥を置いた。 志摩は手を出すと、凄いスピードで洗い物を片付け始める。 「上月、おかえり」  店番をしていたのは李下(りか)であった。 李下は、村の公務員で暗殺部隊であった。 しかし、日中は、俺の代わりに喫茶店ひまわりの店員をしていてくれる。 「いつも、ありがとうございます」  俺は李下に礼を言うと、エプロンを掛けた。
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