第一章 千年時計

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 俺が店内に出ると、今日は月が見えていた。 それも巨大な月で、いつもの倍以上あるように見える。 「凄い月ですね……」  喫茶店ひまわりは、屋上庭園に面して、オープンテラスの席もある。 又、庭園側の屋根が透明になっていて、店の半分がハウス栽培のような、 温室のような雰囲気になっていた。 この開放感のあるつくりから、幽霊騒ぎが多く発生していた。 この屋上庭園は、壱樹村と繋がっている部分があり、少し異様なものも見えるのだ。 「月が赤い……」   これは、村の月とリンクしているのであろう。 村では、俺の力が弱まると光が不足し、月が赤くなってしまう。
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