第一章 千年時計

13/27
前へ
/547ページ
次へ
 掟破りの李下という異名を持っている李下は、主に村の掟を破った者を喰らい、 その代わりに、意識のない状態で生きている娘の処刑を止めていた。  李下が見えない場所だが、自分の刀を出したとうことは、 ×が潜んでいるということだろう。 でも、俺には殺気は感じなかった。 「李下さん、敵ですか?」 「赤い月は、死者を呼ぶというからね。闇が強くなっている分、 守人様の光が遠くからでも見えてしまう……」  李下が刀に手を添えて、どこかを睨んでいた。 俺も李下の見る先を確認しようとしたが、李下の後ろに下げられてしまった。
/547ページ

最初のコメントを投稿しよう!

191人が本棚に入れています
本棚に追加