191人が本棚に入れています
本棚に追加
「化け物ですか?」
「そう。直江津というのは、変化する×で、昔は暗躍部隊、今でいう征伐部隊にいた。
そこで、上の命令のままに×を喰らい続けて、崩壊しかけた」
そこで、何も喰わなくて済む、教師になっていたという。
しかし、二十年前、生徒の×を喰って逃走した。
「失踪ではなくて、逃走ですか?」
「表向きは、失踪だったけどね」
何があったのかは分からないが、ある時、学校の中には×を殺した痕跡があり、
その場にいたはずの直江津が消えていた。
「煙に変化すると切れないし、捕まえられない。そういう厄介な技を使う」
「そういう時はどうするのですか?」
黒川も、五強であるので、対策を知っているかもしれない。
すると、黒川は不思議そうな顔をして俺を見ていた。
「俺ならば、風使いだから、特に問題はない。それに、捕まえるよりも喰う方が簡単だ。
守人様ならば、消すだけでしょ」
ならば、李下ではなく俺が出ていればよかったのか。
今からでも遅くはないので、外に出ようとすると、黒川が止めていた。
最初のコメントを投稿しよう!