第一章 千年時計

22/27
前へ
/547ページ
次へ
「ここに守人様がいるということは……私は守人様に惹かれて来ましたか……」 「らしいね……」  李下も、黒川も話を聞くと言いながらも、戦闘態勢のままであった。 俺が直江津に緑茶をいれると、直江津は音をたてて飲んでいた。 どうも緊張感がない直江津であったが、黒川は腕を組んで、睨んでいた。 「直江津は、失踪?逃亡するまで、五強だった」  直江津は、そんなに強そうには見えない。 しかし、考えてみると、常にやる気のない黒川と、 溜息ばかりの李下も強そうには見えなかった。  時計を見ると、光二にチェンジする時間になっていたが、どうにも直江津が気になる。 「……その、記憶が無くなっておりましてね。掟破りで処刑されるのは仕方が無いですが。 死ぬ前に、自分は誰を喰ったのか、殺したのか知りたいのですよ」
/547ページ

最初のコメントを投稿しよう!

191人が本棚に入れています
本棚に追加