第一章 千年時計

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 最近の、俺のお気に入りの場所は、光二の心臓であった。 ここは、狭く温かく、眠り易い。 しかし、先客の蛇が寝ていた。  この蛇は光二に寄生していて、主に光二を修復していた。 他に、闇を蓄えているオウムも中に寄生している。 『蛇、一緒に寝ようか……』  俺は、どうも閉ざされた空間にいると、他の世界が見えるらしい。 こうして、光二の中にいると、浮かんだスクリーンのように外を見る事ができる。  しかし、不便な事は、この画像は俺が選べないということであった。 今回は、先ほど谷津と喋っていたせいなのか、谷津の家の映像が見えていた。
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