第一章 千年時計

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 大学の帰り、道を聞かれた。  聞いた事のない地名で、聞いた事のない店の名前であったので、 携帯電話で検索してみたが、やはり何も出て来なかった。 「すいません、分かりません」  古い店ならば、検索しても出て来ないのかもしれないし店が無いとは言い切れない。 しかし、俺はここに引っ越してきて今年で三年目で、そう土地に詳しくはない。  頭を下げて家に帰り、ふと聞かれた店の名前を思い出した。 「志摩、ミカゲヤって聞いた事がある?」   今日は家で志摩が掃除をしていた。 志摩は、俺の幼馴染で、長く一緒に住んでいる。 志摩も朝ら夜中まで働いているので、休みの時は休んで欲しいのだが、 いつも家の掃除などをしていた。
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