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そして勿論、オノレの準備も怠りない。
もうどこへも出かけないというのにキレイに髪を巻き、彼の好むナチュラルメイクを施してある。
さらには、クリスマス感を出すため、トナカイさんの仮装までするという念の入れよう。
さらにさらに!
恥ずかしながらその下には、作年悪ふざけで彼のお姉さんが買ってくださった、かなりセクスィーな下着を装着している…
しかしクリスマス・シーズンはそもそも、リーマンの彼にとって、忘年会シーズンのまっただ中。
これだけ準備整えると、必ずといっていいほど邪魔が入るという前回以降のパターンを、全くといっていいほど学習していなかった…
チクタクチクタク…
普段の彼の帰宅時間は9時とちょっと過ぎだが、時計を見れば、そろそろ定刻の5分前である。
ワクワクしながら玄関マットの上にチョコンと座って待つトーコ。
と、きっかり5分後。
「ただいま」
カチャカチャとドアノブを回す音がして、愛しい声が聞こえてきた。
ヤッターー!
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