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ゴミ当番
「それじゃあ、3ヶ月間、お願いしますね。」
そう言って玄関口で手渡されたプラスチックのネームプレートには、市営団地第五班 ゴミ当番と印字されてあった。気が重いが、自治会の規則なので仕方ない。
「はい、ご苦労様です。」
康子は、心とは裏腹に満面の笑顔でそれを受け取った。
前の当番の人の良さそうな老女を見送り、プレートを玄関表札の下に引っ掛けてぶら下げ、ドアを閉めると溜息まじりに、コタツでテレビを見ている夫に愚痴をこぼす。
「はあ、なんでよりによってこの季節なのよ。寒いったらありゃしないわ。」
「仕方ないだろう?自治会で決められたことなんだから。昨年は、うちは受験生がいるからって免除してもらったんだから、文句言えないだろう。」
夫は面倒くさそうに、こちらをちらりとも見ずにテレビに見入りながら、おざなりの返事をする。
「それはそうだけど。」
康子は、唇を尖らせた。
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