第1章 腐れ縁たち

5/10
前へ
/45ページ
次へ
外に出ると相変わらずいつものようにアイツが待っていた。 「おそよー、入学式当日に寝坊とか相変わらずだな夏樹」といい意地悪な顔で笑う。 「そっちこそ、相変わらず上から目線。生まれた順的に私の方が上なんだけど?」 「一つ違いだろバーカ」 「は!?バカって言った方がバカじゃん!!」 「は?お前より頭の出来はこっちが上なだよアホ!」 「アホじゃ……ないし……」 確かに私バカだし周りの子みたいに普通に出来ないし…… どうせ私なんか…… ぎゅっとスクバの持ち手を握りしめ…なにも言えなくて黙ると 「……!?わ…悪かった!!んな泣きそうな顔すんな!!言い過ぎた!!入学式そうそう泣くな!!笑え!! 」などと焦った声で言ってくる。 「うぅ……光太郎………」 「ほら、行くぞ」と言い私の手を引いて歩き始める。 「…うん…」 背を向けながら光太郎は… 「それと、学校にいる時は新井って呼べよ…なんつうか…恥ずかしいからさ……」 「うん……分かった」
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加