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ここのところの快晴続きで、路面はひどく乾燥している。
下ろしたばかりの真っ白な運動靴が埃っぽくなるのも構わず、家が近づくと私は走り出していた。
昔から続く駄菓子屋が軒を並べるレトロなブロックの脇を通り抜け、川に向かって少し進むと、グレーが多い屋根の中でひときわ目立つ、えんじ色の瓦が見えてくる。
ゴールに向かって思い切り走ると、背中で飛び跳ねるランドセルの中で教科書と筆箱も騒々しい音を立てて一緒に跳ねる。
ランドセルにぶら下げた鈴の音に負けないよう、私は声を張り上げた。
「ただいまー! お母さん、見て!」
半開きの門扉に飛び込み、玄関ポーチに駆け込んだ私の足は、突如そこで急ブレーキがかかった。
開け放した玄関ドアの前に、黒い学生服の背中が立っていた。
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