第二章 出会い

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「そちら、美穂のお友達の今井遼太郎君よ。今井君のお母様と一緒に中学校のPTA役員をやることになってね。名簿をコピーする間、待っててもらったの」 こんな時、元々家族以外の人間には人見知りする私は、ひどく萎縮してしまう性質だった。 誰にでもそつなく振る舞える姉の美穂とは対照的に、私には〝感じの良い〟笑顔や挨拶をうまくこなすことが難しかった。 〝お姉ちゃんみたいにニコニコしてごらん〟 きっとそれはごく簡単なことなのだろう。 でも、こうした言葉を両親にかけられる度、自分の笑顔が合格点でないことを自覚させられた。 頑張れば頑張るほど、それはうまくいかない。
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