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二人は抱き合っていたのだ。
部屋の中で何が起きているのかはすぐにわかった。
真っ白になった頭で立ち尽くした後、はっと我に返り、来た時よりももっと静かに、氷の音さえ立てないよう後ずさりした。
今すぐ、私は消えなければ。
この廊下から、
できればこの世界からも消えてしまいたい気分だった。
お盆を持ったままどうやって自分の部屋のドアを開けたのか覚えていない。
ジュースを持ったまま一階に戻れば、母に不審がられてしまう。
とにかく、唯一逃げ込める場所はそこだった。
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