初恋、そして封印-2

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姉は床の真ん中に置いてあるお盆を避けてこちらに来ると、私が腰かけているベッドに並んで座った。 ふわりと甘いコロンの香りがする。 姉がいつもつけているものだ。 それを避けるように、私はわずかに姉から離れた。 「さっきは……」 「さっきはごめん」 姉の言葉を遮り、先に謝った。 何も言われたくない、 何も聞きたくない。 無駄だとわかっている、せめてもの抵抗だった。 「覗いたわけじゃないの。これ、履いてたから足音がしなくて」 靴下を指さし、下を向く。 「わかってる。こっちこそごめん。あんなところを見せちゃって」 「……」 部屋が静かすぎて、沈黙がのしかかってくるように感じる。 沈黙しながら、私は姉に対して沸き起こる嫉妬心を懸命に消そうともがいていた。 小さな頃から姉はいつも私を守り、可愛がってくれた。 遼太郎が選んだのは他でもない、その姉なのだから。
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