初恋、そして封印-2

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「そんなの、ありえないよ」 落ち着いて見えるように否定したけれど、生まれた時から一緒にいる姉の目には、何もかも見抜かれている気がして怖かった。 「でも、遼太郎の前ではいつも赤くなるし、遼太郎がうちに来るようになってから、莉穂ってお洒落するようになったでしょ? お化粧品買ったり、スウェットやめたし、それに……」 「だから無いって!」 聞いていられず必死に遮る。 すべて見抜かれていたのがショックだった。 姉に腹を立ててもいた。 なぜそんなことをしつこく確かめようとするのだろう? そう思うなら、私の傷はそっと放っておいてくれたらいいのに。
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