初恋、そして封印-2

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打ち上げ会場に近づくにつれ、混雑はひどくなった。 去年が悪天候だったため、天気に恵まれた今年は例年に増して人気らしい。 「場所取り苦労しそうだね」 はぐれないように人混みを縫い、三人で進むうち、姉が飲み物が欲しいと言い出した。 自動販売機は数が少ない上、売り切ればかりだ。 「遼太郎に場所取ってもらって、莉穂と私が買い出し係になる?」 「でもどうやって落ち合うの?」 「携帯があるよ」 姉は携帯電話が入った巾着を叩いてみせた。 高校生になって電車通学をするようになった姉は自分専用の携帯を持たせてもらっている。 中学校では校則で禁止されているので、姉が羨ましかった。 「場所決めたら、だいたいの位置をメールしてね」
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