初恋、そして封印-2

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「あれ、及川のお姉さん?」 「うん。美人でしょ」 「お姉さんと来てるんだ?」 「うん。お姉ちゃんと、その、彼氏みたいな友達と」 「なんだ、邪魔してんのか」 「だって千佳も優ちゃんも彼氏持ちだからさ」 なかなか鋭い突っ込みに唇を尖らせて反論すると、壽崎君も苦笑いした。 「うん。俺も相手いねーから男同士だよ。梅ちゃんと、コージと」 そんな話をしている間に、その〝梅ちゃんとコージ〟も集まってきた。 「よー、及川! 浴衣似合ってんじゃん」 「及川がデコ出してる」 「やめてよ!」 おでこを突っつかれ、憤慨して空いている方の手で隠す。小学校からの仲間なので、遠慮も何もない。
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