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「そういえば、このプロジェクト以外では何を担当してるの?」
話をそらすついでに、私は気になっていたことをたずねてみた。
「今は湾岸地区の橋の工事。本来の所属は橋梁部門だからな。プロジェクトのためにイノベーション本部に一時的に移籍しているだけだから」
「全然分野が違うんだね」
「ああ。ただ、大学で都市工学もやってたから、それで選ばれたんじゃないかな」
「どっちが楽しい?」
遼太郎は「答えづらいな」と私の質問に苦笑した後、続けた。
「それぞれ魅力が違うからな。今は湾岸が工期真っ只中だから、緊張感はある」
「湾岸ってことは、海の中に橋脚を立てるの?」
「そうだよ」
「あれって根元はどうなってるの? 浮いてるの?」
「浮いてねーよ。どんな橋だよ」
「丸太橋」
思い切り馬鹿にされた私がヤケクソで答えると、遼太郎は大笑いした。
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