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「及川を泣かせるあいつに嫌がらせ」
「なんでこれが」
「及川から煙草の匂いがするとイライラするんじゃない?」
「ああ……そうか」
夜、私の部屋にやってきた遼太郎は、私を抱き寄せてから急に不機嫌になるときがある。
そういうときは決まって一緒にお風呂に入らされるのだ。
全身コンプレックスだらけの私には拷問に等しい。
さらにその後はかなり苛められる。
あれは煙草の匂いのせいだったのか。
「でも課長、そのとばっちり、私に来るんですけど。超不機嫌になるし」
西岡課長はハハハと笑って煙草を仕舞い、立ち上がった。
「及川。詳しいことはわからないし、当人同士でしかわからないこともある。あいつやお姉さんが最後に何を選ぶのかもわからない。だけど、頑張れ。僕にはこれしか言えないけど、頑張れ」
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