二人の時間-1

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私の任期は秋までだ。 この関係はそのときには確実に終わりを迎える。 そんな刹那 の関係は、終わりが待つ痛みを伴いながらも、愛する人に抱かれるささやかな幸せを私に与えてくれていた。   そして、もう一つ──どんなに彼を愛していても、それを告げられない痛みも。 遼太郎が私に向ける優しさも激しさも、それらはすべて彼が私を通して見つめている姉に向けられたものなのだから。
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