二人の帰る場所-3

22/23
前へ
/40ページ
次へ
絶頂寸前まで押し上げられ、息も絶え絶えになっている私に、顔を上げた遼太郎が苦しそうに囁いた。 「今日はこんな場所でなくて、丁寧に抱きたかったのに、ごめん……我慢できそうにない」 勇気を出して手を伸ばし、おずおずと彼の昂ぶりに触れると、遼太郎が眉根を寄せてかずかに呻いた。 「嬉しいんだけど、たぶん、今の俺には刺激が強すぎる」 今までみたことのないほど余裕のない彼が、愛おしくてたまらない。 恥ずかしさは変わらないけれど、遼太郎が強く私を求めてくれていることに、私は心を守っていたコンプレックスを脱ぎ捨てた。 私が与えてあげられる愉悦があるなら、全部あげる。 「遼太郎……きて」 両腕を伸ばし、遼太郎を引き寄せる。 甘く濡れた蜜に彼の昂ぶりが当てがわれ、二人の吐息が乱れて絡まった。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1406人が本棚に入れています
本棚に追加