エピローグ

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それから半年あまりが過ぎた翌年の秋、私は振袖姿で川越の駅に降り立っていた。 手には大きな引き出物の袋を下げている。 今日は姉の晴れの日だったのだ。 昨年の夏に不倫関係を絶った姉は、同じ職場の同僚の男性にプロポーズされ、結婚を決めた。 私の義理の兄となるその人はアメリカ赴任が決まっていたため、姉にとっては海を渡ることも含めての決断だった。 一日中振袖でいると、夕方にはさすがにくたびれてくる。 駅から家までの距離を着物で歩くのは辛いので、私はほんの少し贅沢してタクシーで帰宅した。 両親は今晩は挙式したホテルに泊まり、明日、アメリカに発つ姉を見送ることになっているので、家には私一人だ。 お茶を淹れて休憩すると、私は二階に上がり、空っぽの姉の部屋をのぞいたあと、廊下の窓に腰かけた。
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