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「式はどうだった?」
「すごく良かったよ。お姉ちゃん、天使みたいに綺麗だった」
こんなことも、今は素直に言える。
「お母さん、ずっと泣いてた」
母の泣き顔を思い出すとまた泣いてしまいそうで、私は明るい声で話を続けた。
「料理も美味しくて、お腹いっぱい」
私の腰に腕を回した遼太郎が満足そうに撫でた。
「うん。いい感じに太ってきた」
「着物じゃわからないでしょ」
「じゃ後で確かめる」
誘導に引っかかったことに笑い、見上げると、優しい目も笑っていた。
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