二人の帰る場所-3

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「西岡課長とはどういう関係だ?」 前にも聞かれた質問だ。 あのときは捨て台詞を吐いて逃げたけれど、今は肯定できない。 なぜなら、市川さんと西岡課長は結ばれているのだから。 嘘をつけば、迷惑をかけてしまう。 「課長とはなんでもないんだろ? じゃあなんであの夜、抱き合ってたんだ?」 「……」 何も答えられない。 一歩近づいた遼太郎を慄きながら見つめる。 何があっても気持ちは明かさない。 言えば、遼太郎が抱えるものをさらに重くしてしまう。 「課長となんでもないなら、どうして俺と寝た?」 質問が核心に迫り、また一歩下がった私の後ろでファイルの山が崩れる音がした。 これ以上逃げられない。 後ろに下がろうとしてファイルにつまずき、よろけながら私は叫んだ。 「……言えない。絶対に、言えない!」 「好きだ」 私の声に重なった彼の言葉が、私の動きを止めた。
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