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「教えてくれ。どうして俺と寝たのか。それとも課長が好きなのか?」
「……」
「教えてくれ」
言ってしまいたかった。
すべてを吐き出してしまいたかった。
でも、初めて身体を重ねたあの夜のように、もう自分の弱さに流されたりしない。
「お姉ちゃんは? お姉ちゃんがいるじゃない!」
彼の腕にもう一度抱かれたい誘惑に揺らぎながら、力を振り絞って叫ぶ。
「あいつとは、大学に入ってまもなく別れてる」
「……え?」
それは予想をはるか超えて、早すぎる破局だった。
意外な事実に、私の頭は真っ白になる。
別れたのは不倫が原因ではなかった……?
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