二人の帰る場所-3

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「どうして長い間、付き合ってることになってたの?」  呆然としながらたずねると、遼太郎は真っ直ぐに私を見つめて答えた。 「罪悪感だ。俺は美穂にどうして踏み込めなくて、ほとんど実体のない付き合いだった。俺が別れを切り出したとき、美穂は別れる代わりに約束を求めたんだ。親に恥をかきたくない。親には付き合ってることにしていてくれ、と」 「……」 「大学に入ってからは家にいる時間は短かったし、俺の知らない所で親が盛り上がろうと構わなかった。だから放置したんだ。煩わしいことから逃れて一人暮らしを始めたら、そんなことは忘れてしまった」 「でも……。お盆に、お姉ちゃんと抱き合ってたじゃない」 「えっ?」  今度は遼太郎が目を見開く。 「うちのリビングで……」 下を向いた私の声が震えた。
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