友達。

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「ねぇねぇ!木ノ下さん!」 「は、はい!」 「ずっと話してみたかったんだ。芽生ちゃんって呼んでもいい?うちのことも美羽って呼んで!」 「…み、美羽さん。」 「もー!何で敬語!?うちらタメじゃん!」 思わず、胸の奥がジンと熱くなる。 「じゃあ、美羽ちゃん。」 「うん。なら、良し!」 「何だよお前偉そうに。」 「は?新にだけは言われたくないんですけど!」 「木ノ下さん、俺らの名前は知ってる?」 下谷新くんに訊ねられて、コクコクと頷く。 「俺たち双子だからさ。俺たちのことも下の名前で呼んで。わかりにくいから。」 「は…あ、うん。」 「芽生!俺も!」 「え?」 「昨日『森本くん』って呼んでただろ!俺のことも皐月って呼んで!」 私と皐月くんの顔の距離、僅か十センチほど。それを新くんが引き剥がした。皐月くんの必死な様子に、そのやり取りに、思わず、クスリ。笑むと、
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