4. もう一つの物語 パラグラフⅣ:或は真実の物語

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 ノアはほかの潜入捜査官とは違っていた。 「籍は置いていたが、正規の捜査官じゃねぇ。どんな人間にもなりきれる“プロ”――便宜上捜査官と呼んじゃいたが、警察権限の行使を一部許諾された、修練を積んだ諜報員だった」 「なるほどそれで……」  気になるワードがあれば、片っ端から投稿をチェックしにいく。  エージェント・ノアについて、際立った言及をしている記事はなく(なくて当然だが)、NSC――国家安全保障委員会のHPから、同委員会のテロへの取り組みや巻き込まれた際の一次対処法を記したテキストが、天文学的回数転載されただけらしい。 「にもかかわらず、ノアは先の潜入で、新米捜査官でもやらかさないような大黒星をつけちまった」
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