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「悪い奴らがこっちに向かってきてる。全員銃を持ってる。サブマシンガンとかだ。一番の狙いはたぶん俺だが、おまえのことも攫うつもりだろう。悪ぃな、どうやら俺の厄介ごとに巻き込んじまったらしい。
染谷さんに話をつけておいた。憶えてんだろ? おまえの護衛についていたあの刑事だよ。いまこっちに向かってる。
その本棚は隠しドアになっている。007みたいだろ!?(笑) 外観だけ山小屋風にしててな。開けると掃除用具やら何やらがあって物入れっぽくなってるが、その奥は秘密の小部屋になってる。俺の命綱的なものが保管してあった。
おまえはスタイラーをつれてひとまずそこへ隠れろ。そこそこ時間稼ぎにはなるはずだ。
y3007ys、パスワードだ、覚えろ、覚えたか? 一歩でもなかに入るとセンサーが感知してパスワードを要求してくる、y3007ys。俺とおまえとスタイラーの頭文字+俺が30でおまえが7つ、カンタンだろ!?
パスワードは一回きりだ。内部から外へ出るのは簡単だが、
(「絶対に出て来るんじゃねぇぞ! おまえの兄貴なら壁もなにもすり抜けられるのかもしれねぇが………あ、なんか虚しくなってきた――とにかく! 染谷のオッサンが着くまで絶対に出てくるな、分かったか!?」)
俺がいなきゃ二度とここへは入れねぇ」
梶井はうすく笑い、ザックの髪をくしゃくしゃかき混ぜた。
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