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壁際のベッドの真向かいのビルドイン本棚までドカドカと歩いて行き、あたかも照明スイッチに見立てた開閉スイッチをONにする。
鈍い滑走音とともに本棚が左右に割れた。パタパタと身支度を整える少年と犬をせき立て、ドアの前で目線を合わせるため片膝をついた梶井に、ギュッとしがみつくザック。
「そんな顔するなって、大丈夫だから…………あん? 何バカなこと言ってやがる。こうなったのはおまえのせいじゃねぇ、俺の選択だ。いや、昼飯のプレッツェルのせいか(笑)。おまえがいてもいなくても、いずれこうなってた。おまえは何も悪くねぇ。
マズイ雲行きどころか大嵐になっちまったが、けっこう楽しかったぜ。
逃避行つったら普通はとびっきりの美女とするもんだが……まぁ悪くはなかった。
ことわっておくが、俺は小児性愛者じゃねぇぞ。さぁもう泣くな! 行け!」
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