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0. Aftereffects(アフターエフェクツ) Ⅰ
2階の居住スペースから、スチール製の幅広の階段をかけ降りると、書き入れ時を過ぎて客が引いた店内で、父さんがテーブルを拭いて回っていた。
僕に気づくと、『Dr.HOUSE』で主人公ハウスを演じていた俳優似の彼が、ニッと笑って言った。
「アディ、これから出陣か?」
「うん。行ってくるね、エリ。戻ったら後片付けを手伝うよ」
「ああ。車に気をつけるんだぞ。ついこの間も事故があったばかりだからな」
「はは、大丈夫だよ! 俺、2週間前に17になったんだけど?」
「いくつになろうが関係ないさ。AIに頼り過ぎた俺たちは、本来、人間が自然に持ち合わせていた力まで自ら投げ捨てちまった。今さらぼやいても後の祭りだがな」
僕はちょっと複雑な気分。
だって、大昔から人はより良く生きるために、いろいろなものを創造してきた。それは実際に役に立っていたわけだし、もっと良くしたいっていう気持ちがあったからこそ、現在がある。
エリ――父さんみたいな考え方をする人が一定数いるのは知っているけど、そう、今さら言ったところで、もう戻れやしないんだ。だったら――。
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