4. もう一つの物語 パラグラフⅣ:或は真実の物語

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 うるさいな。いちいちムカつくったら……って、え? パノプティコンに行くの?(由宇次郎はパノプティコンのことを“城”って呼んでいる)あそこにお泊まり? そんなことできんの? それって収監?  だってコイツ、お泊まりどころか本来ならあそこの住人でしょ? 何しに行くわけ? あそこに入らない代わりに僕と暮らしてるんじゃ……。 「この間来てただろ? 柄の悪いオヤジ。アイツとお城で舞踏パーティってわけさ。  こいつは午前0時を過ぎても解けねぇ魔法だ。しかも、ヤツは麗しの王子とは似ても似つかない人間ときてる」
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