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「ハッハッハ、参ったねこりゃ。ガキの行末を心配するなんざ、おまえもずいぶんと立派になったもんだよ」
ガンッッッ!
由宇次郎がシートを思い切り蹴ると、染谷は「ぶほっ」という声とともにもどき煙草を吹き出した。
「て、てめぇ………」
パノプティコンの正門と比較すると、いかにも刑務施設的な重い鉄格子の門がゆっくりとその身を軋ませて開く。
「オラ、着いたぞ」
*
その日のノルマを終えて、いつもなら書庫の近くにあるコーヒーショップでひと息入れたり、ゲーセンに寄ったりしてから別れる真宮と、フツーにバカ話をしながら例の橋の前まで着いた時だった。そのままそこを通り過ぎて自宅へ向かおうとしたら、ヤツが言った。
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