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だがしかし、フタを開けてみれば、反響は思いのほか大きかった。
提供されるスパームは、専門チームによる厳しいチェックを通過したお墨付きの優良物件。
民間バンクで同じ条件のスパームを望んだ場合、何年も待たされる上に莫大な資金がかかる。
政府主導のこの公募を利用すれば、審査はあるものの、スパーム自体は無償提供される。
狙い通り、子供は欲しいが配偶者は不要と言ってはばからない、社会的地位が高く自立心も強い女性たちからの反響が多数を占めた。
これに気をよくした政府は、子育て経験のある女性議員を中心に育児支援チームを編成、労苦を共する立場から実用に適った支援策を打ち出すことで、母親予備軍へのアピールをさらに強めた。
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