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こうしてトンデモ一大プロジェクトは予想外の好スタートをきった。
そしてそのまま順調に運ぶかに見えた。
しかし、一回目の提供終了から24ヶ月が経過しようとしていた矢先、つまり、プロジェクトで産まれた子どもが1才2ヶ月~8ヶ月になろうとしていた時期に、ある大衆誌の記事をきっかけに、計画は大失敗へと変転していく。
昨日の友は今日は敵ってヤツだね――あれ? 昨日の敵は今日の友? どっちだったけ? えっ、使い方違う? あー……
記事の内容はこうだった。
公募に応じたある女性の子どもが、先天性の疾患を持って産まれてきた。
彼女は記者の取材に対して、我が子が健康体で産まれなかった原因は提供スパームにある、何らかの遺伝的要因があったに違いないと答えたのだった。
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