4. もう一つの物語 パラグラフⅣ:或は真実の物語

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 染谷は忌々しげに表情を歪めているが、どことなく愉しそうだ。 「しかたがねぇからいろいろ調べていたら、どうにもキナ臭くてな」 「キナ臭い?」 「おかしいんだよ、いろんなことがな」 「今はまだそれしか言えんが、行方不明者に時間的余裕はねぇ。近々のからすぐにでも着手したい、分かるな!?」  有無を言わさぬ染谷の強い視線を、真っ向から見返す。 「……着手って……あえて訊くんだけどさ、俺に何をさせようっての? まさかと思うけど……」
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