4. もう一つの物語 パラグラフⅣ:或は真実の物語

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「ハッ、何だそれ、ばくしょー! まあ……アレだな。おまえの母ちゃん、くすぐったくて言いづらいんだよ、きっと」 「そーかね」 「そーだよ絶対」 「………なーんかよぉ、気に食わねぇンだけど? 何、その俺はワカッテマース顔?  おっし! 気に食わないからソーセージ寄越せ。俺様が食ってやる!」  僕のプレートから自家製ボイルド・ソーセージを奪おうとする真宮に、「させるか!」とプレートを持ったまま身体を反対側にかわす。  やいのやいのやっていると、背後でクスクス笑う声がした。  ソーセージを食らった顔だけ後方に向けると、来島さんが「おはよう、アディ。朝から楽しそうね」と、すごくキレイな笑顔を浮かべて立っていた。
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