4. もう一つの物語 パラグラフⅣ:或は真実の物語

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 いや、分かんないんだけど。そんな話、初めて聞いた。由宇次郎のヤツ、知ってて黙ってたんだ。僕に話さなきゃならない立場だってこと、分かってるんだろうか?  とにかく、本部の耳には入れておかないと……横から真宮がイヤ~な笑顔を向けてくる。 「あんだよ?」 「いやよぉ、これは純粋に好奇心からなんだけどよぉ……おまえは貰ったことねぇのかなって。そういう嫌がらせとか中傷のメール?」 「…………あったら何だって?」 「ヒャハハ~、やっぱり~?」  笑い転げる真宮。何でそんなに嬉しそうなんだ? 見ろ、来島さんが対応に困ってんだろーが。 「いやー、外さないねぇ(笑)。おまえの人でなしっぷりからすれば当然だよな!? 俺らにはいいヤツなのにさー、何で女の扱いはあんなにぞんざいなんだか」  誰が女だって言った、誰が。女だけど。
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