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「死んでもって、こらこらザカリアスくん。死んでないから! 勝手に殺しちゃいけません、めっ!」
染谷とローランドは顔を見合わせ、苦笑する。
脱衣室にある洗面台の水道から勢いよく流れる水音が、リビングまで届く。止まる。
やや間があって、今度はキッチンの冷蔵庫のドアが開き、パタン――閉まった。
ふたたびリビングに姿を現したザックは、肩にタオルを掛け、〝悪魔のワイン〟をラッパ飲みしている。
「何あれ、荒れてんの? やだな。怖いな。オッサン帰ろうかな」
茶化す染谷をザックが横目でギロリ睨みつける。
「自己を自己と認識する主要素をまるまる書き換えられてんだ、死んだも同然だろうよ」
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