72人が本棚に入れています
本棚に追加
ガッ。
「!!! ってぇぇぇぇぇ!…………――っにすんだ、クソアマぁ!」
川東結花が僕にいきなり左ジャブをかましてきましたよ。
「助けて欲しそうだったから助けてあげたのよ、ありがとうは?」
勝ち誇ったように、彼女は口元にニヤリ笑みを浮かべた。
「誰がいつ助けてほしいっつったよ! 百歩譲ってそうだったとしても!これのどこが助けてるって!?」
僕は烈火のごとく怒りをぶちまけた。無理もないだろう? 女からいきなりグーで殴られるなんてこと、いままでにない経験なんだから。
川東結花は悪びれる様子もなく、ずぞぞーっとストローを鳴らしてチョコレートドリンクを吸い上げた。
完璧バカにしてる! あったま来た! 真宮に目をやると、時間がそこでピタリと止まってしまったみたいに、ポカーンとほうけた顔をしている。あまりのことに思考が追いついていないのだろう。
僕らの周囲に陣取っている外野どもも、ある者は嘲笑的表情を浮かべ、ある者は憐れみ、真宮同様固まっている。
最初のコメントを投稿しよう!