浮遊体（少年少女）オン・ザ・ブリッジ――未完の橋――

３. Aftereffects Ⅲ

　でもだけど、さっきの男は全然ギャングには見えないし、こんな世界に生きているからこそ、相手が誰だろうと悪いことは悪いって言うべきじゃないのか！？

　確かに、僕のさっきの行動に対するフロックCのリスク回避能力判定は１――〝やや軽はずみ〟だったけどさ。

　図書館は建物の５階―７階にある。

　蔵書数もなかなかだけど、何よりスゴイのは、建物自体が円形だから蔵書（おもに希少価値の高い古い文献）も当然、それにそって収蔵されていること！

　普通の書架ももちろんあるけど、四方を古書に囲まれて、その圧迫感たるや半端ないんだ！

　初めて足を踏み入れたときはめまいがしたよ。

　建物のセンターをぶち抜いているエレベータを降りるとすぐ目に入ってくる案内板は無視して、右方向へ進む。

　僕らはもう何回か来ているから、目的の区画まで迷わず移動できるけど、AIのサポートなしで目当ての本がある区画に一発でたどり着くのは至難の業だ。