3. Aftereffects Ⅲ

13/63
前へ
/975ページ
次へ
「へぇ、どんな風に?」  真宮が身を乗り出す。 「うむ……おまえが理解できるよう説明するのは、……難しいな。超個人的、超感覚的なもんだから。  そもそも、捨て子の俺はどうしたって、自分はなぜここに在るのか(・・・・・・・・・)って疑問を持たざるを得ない。  捨てた親はなぜこの街を選んだのか? なぜ俺はこの街に留まってサーチャーになり、人並み以上の生活しているのか?  なぜバーガーショップでおまえらと顔をつき合わせて、こんな話をしているのか――  一度囚われると思考が止めどなく流れてきて、俺という人間を頭から飲み込んじまう。  そうして溺れかけてアップアップしているところで、だいたい目が覚める」 「ふーん……俺、夢も覚えてないくらいいつも爆睡だから、よく分かんないや」 「だよな」 「うん」 「そのほうがいい」 「うん、だよね」  あはははと笑い合う真宮とドッグ。この話をもって、どうやらお開きらしい。  でもドッグ、僕は解るよ、その感じ。
/975ページ

最初のコメントを投稿しよう!

72人が本棚に入れています
本棚に追加