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「へぇ、どんな風に?」
真宮が身を乗り出す。
「うむ……おまえが理解できるよう説明するのは、……難しいな。超個人的、超感覚的なもんだから。
そもそも、捨て子の俺はどうしたって、自分はなぜここに在るのかって疑問を持たざるを得ない。
捨てた親はなぜこの街を選んだのか? なぜ俺はこの街に留まってサーチャーになり、人並み以上の生活しているのか?
なぜバーガーショップでおまえらと顔をつき合わせて、こんな話をしているのか――
一度囚われると思考が止めどなく流れてきて、俺という人間を頭から飲み込んじまう。
そうして溺れかけてアップアップしているところで、だいたい目が覚める」
「ふーん……俺、夢も覚えてないくらいいつも爆睡だから、よく分かんないや」
「だよな」
「うん」
「そのほうがいい」
「うん、だよね」
あはははと笑い合う真宮とドッグ。この話をもって、どうやらお開きらしい。
でもドッグ、僕は解るよ、その感じ。
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