6. もう一つの物語 パラグラフⅥ:続・或は真実の物語

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6. もう一つの物語 パラグラフⅥ:続・或は真実の物語

「うぉ~い、ザカリア~ス、早速死んでんぞ、瀬尾パトリック」 「あぁそう……イヤな予感が的中したね」 「ブラジルの最南端、リオグランデ・ド・スルの州都ポルトアレグレから、西にかなり離れたところに位置するクゼキ(※)っていう小さな村に、彼の‘気’の砕片が残っていた。  この州、ブラジル国内の人間開発指標第3位なんだって。そこに住む人々の生活の質や発展度合いを示す指標らしいんだが、クゼキはとてもじゃないが豊かとは言えない。  道路は未舗装、住居はバラックより少しマシなレベル、唯一の娯楽が、村に一軒しかない雑貨店兼食堂兼酒場でビール飲みながら、サッカー中継を観ることだ」  由宇次郎はローランドの報告を聞きながら、Google EarthやWikipediaを駆使して、村の概観を把握する。 (※実在する地ですが設定はねつ造です。実際とは異なります)
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