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「くそっ! 後手後手だ!」
エリザさんがいらついたように車の窓を叩く。
津坂の自宅には、先に医療隊を向かわせてある。
だが、医療隊は津坂と闘えるような戦力は持っていない。
もし先に到着できた場合の保護ができる程度だ。
津坂の方が先に到着し、殺戮を始めてしまえば、対応のしようがない。
僕達は強い焦燥感を覚えていた。
『エリちゃん! トウゴ君! 医療隊から報告よ』
不意にリョウコさんから連絡。
『自宅には、小学生の次女しかいなかったそうよ。とりあえず、保護したわ』
「なんだと……!? では奴はいったいどこへ……」
不穏な空気が流れる。
僕達は、何か重大なミスを犯したのではないか。
次の瞬間、僕たちは自分の過ちを知ることになった。
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